猫の目やにが多い — 猫風邪?アレルギー?原因と対処法

猫の目やにが多い — 片目だけ?両目?原因と対処法

この記事は獣医師の監修を受けています

猫の目頭に目やにがついているのは珍しいことではありませんが、量が急に増えた、色がいつもと違う、片目だけ続いている——こうした変化は体のSOSかもしれません。猫の目やには目の表面を守る正常な分泌物ですが、その色・量・左右差によって原因が大きく異なります。この記事では「片目だけ」と「両目」のケースに分けて原因を整理し、病院に行くべきタイミングを解説します。


猫の目やにが増える主な原因

1. 猫風邪(猫ヘルペスウイルス・猫カリシウイルス)

もっとも多い原因です。猫ヘルペスウイルス(FHV-1)や猫カリシウイルス(FCV)に感染すると、くしゃみ・鼻水とともに目やにが増えます。典型的には両目に症状が出ますが、初期は片目だけのこともあります。目やにの色は透明〜白、悪化すると黄色〜黄緑の膿性になります。子猫や免疫力が低下した猫で重症化しやすいのが特徴です。一度感染すると体内にウイルスが潜伏し、ストレスや体調不良をきっかけに再発を繰り返すことがあります。

2. 細菌感染(クラミジア・マイコプラズマ)

クラミジア・フェリスやマイコプラズマという細菌による結膜炎(けつまくえん)です。クラミジア感染は片目から始まり1〜2週間後にもう片方へ広がるのが典型パターンです。黄色い粘り気のある目やにが特徴で、結膜(まぶたの裏側の粘膜)が赤く腫れます。多頭飼育環境で1匹が発症すると他の猫にも広がりやすいため注意が必要です。

3. 異物・外傷

草の種や被毛、ほこりが目に入った場合や、他の猫とのケンカで目の周辺に傷を負った場合、片目だけに目やにが急に増えます。涙の量も増え、目をショボショボさせたり前足でこすったりする仕草が見られます。


「片目だけ」と「両目」で原因の目安が変わる

片目だけの目やにが多い場合

  • 異物が入っている可能性
  • 角膜(目の表面の透明な膜)に傷がある可能性
  • クラミジア感染の初期
  • 鼻涙管(目と鼻をつなぐ管)の詰まり

両目ともに目やにが多い場合

  • 猫風邪(ウイルス感染)
  • アレルギー
  • 猫風邪の再発・慢性化

片目だけの場合は「局所的な原因」、両目の場合は「全身的・感染性の原因」を疑うのが基本的な考え方です。


今すぐ病院に行くべきサイン

以下のいずれかに当てはまる場合は早めに受診してください。

  • 目やにの色が黄色〜黄緑で、目が開けられないほど固まっている
  • 目が完全に閉じたままになっている
  • 黒目(角膜)が白く濁っている、または傷のような線が見える
  • くしゃみ・鼻水・発熱・食欲低下を伴う
  • 3日以上症状が改善しない
  • 子猫(生後3か月未満)で目やにが出ている
  • 目の周りの皮膚が赤くただれている
  • 目やにに血液が混じっている

子猫の目やにを放置すると、まぶたが癒着(くっついてしまう状態)して目が開かなくなるリスクがあります。子猫の場合は1日でも早い受診を心がけてください。


様子見してよい場合

以下のすべてを満たすときは、1〜2日の自宅観察が可能です。

  • 目やにの色が茶色〜こげ茶で少量(朝起きたときに目頭に少しつく程度)
  • 目はしっかり開いている
  • くしゃみ・鼻水・食欲低下がない
  • 目を気にしてこする仕草がない
  • 活動量や食欲が普段通り

茶色〜こげ茶色の乾いた目やにが朝に少量つく程度は、猫の正常な範囲です。ただし量が増加傾向にある場合は注意してください。


自宅でできるケア

目やにのやさしい拭き取り方

ぬるま湯(人肌程度の温度)で湿らせた清潔なガーゼやコットンを使います。固まった目やにはいきなりこすらず、湿らせたガーゼを30秒ほど当てて柔らかくしてから、目頭から目尻へ一方向にやさしく拭き取ります。1回拭くごとにガーゼの面を変えてください。左右の目で別々のガーゼを使うことが大切です(片方の目の感染をもう片方に広げないため)。1日2〜3回を目安に行います。

目をこすらせない対策

猫はエリザベスカラーを嫌がることが多いですが、しきりに目をこすっている場合は装着を検討してください。ソフトタイプのカラーであれば比較的ストレスが少ないです。

多頭飼育の場合の隔離

目やにが多い猫がいる場合は、他の猫への感染を防ぐために一時的に部屋を分けることを検討してください。食器やタオルの共有も避けましょう。


病院に行くときの準備

  • 目やにの写真: 色と量がわかるように撮影(拭き取る前に撮る)
  • 片目か両目か: どちらの目に症状があるか確認
  • 発症時期と経過: いつから増えたか、悪化しているか
  • くしゃみ・鼻水の有無: 猫風邪の診断材料になる
  • ワクチン接種歴: 3種混合ワクチンの接種状況
  • 同居猫の有無と健康状態: 感染症の可能性を判断する情報になる

動物病院では、目やにの検体を採取してPCR検査(ウイルスや細菌を特定する検査)やフルオレセイン染色(角膜の傷を確認する検査)が行われることがあります。原因に応じて抗菌点眼薬、抗ウイルス薬、インターフェロン(免疫を活性化させる薬)などが処方されます。猫風邪が原因の場合、完治までに1〜3週間かかることが一般的です。


この記事の情報は一般的な参考情報です。個別の症状については必ず獣医師にご相談ください。

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この記事は一般的な獣医学知識に基づく情報提供を目的としており、獣医師の診察に代わるものではありません。 個々の状態は異なるため、少しでも不安がある場合は動物病院を受診してください。