犬のフケが多い — 乾燥?皮膚病?原因と改善ケア
この記事は獣医師の監修を受けています
ブラッシングのたびに白いフケがパラパラ落ちる、黒い服に抱っこすると白い粉がびっしり——。犬のフケは少量であれば正常な皮膚の新陳代謝ですが、量が多い場合は乾燥や皮膚病のサインかもしれません。この記事ではフケが増える原因と、自宅でできる改善ケア、受診の目安を解説します。
フケが増える主な原因
1. 皮膚の乾燥
犬のフケで最も多い原因が皮膚の乾燥です。冬場の暖房による室内の乾燥、シャンプーのしすぎによる皮脂の除去が代表的な原因です。シニア犬は皮脂の分泌量が減るため、特に乾燥しやすくなります。
乾燥によるフケは細かくサラサラしており、被毛全体に均一に見られるのが特徴です。
2. 脂漏症(しろうしょう)
皮脂の分泌異常によって起こる皮膚疾患です。乾性脂漏症ではカサカサした大量のフケが出て、脂性脂漏症ではべたついた大きなフケと脂っぽい被毛、独特の体臭が特徴です。コッカースパニエル・シーズー・バセットハウンドなどの犬種で多く見られます。
3. マラセチア皮膚炎
マラセチアは犬の皮膚に常在する酵母菌(カビの一種)ですが、皮脂が過剰になると異常増殖し、皮膚炎を起こします。べたついたフケ、赤み、強いかゆみ、酸っぱい発酵臭が特徴です。耳・脇の下・指の間・首のしわに好発します。
4. ツメダニ症
ツメダニ(Cheyletiella)という小さなダニが原因の皮膚疾患で、「歩くフケ」とも呼ばれます。大量のフケとともに軽度〜中程度のかゆみが見られます。特にパピー(子犬)で多く、接触感染するため多頭飼いの場合は全頭に広がることがあります。人にも一時的に感染することがあるため注意が必要です。
5. 栄養バランスの偏り
必須脂肪酸(オメガ3・オメガ6)や亜鉛、ビタミンAなどの栄養素が不足すると、皮膚の健康が損なわれてフケが増えることがあります。手作り食や偏ったフードを与えている場合に起こりやすいです。
今すぐ病院に行くべきサイン
以下が一つでも当てはまる場合は早めに動物病院へ。
- フケとともに強いかゆみがあり、掻きむしっている
- 皮膚が赤く炎症を起こしている
- べたついた大きなフケと強い体臭がある
- 脱毛をともなっている
- 発疹やかさぶたが見られる
- フケの量が急に増えた
- 市販のシャンプーやケアで2週間以上改善しない
様子見してよい場合
以下をすべて満たす場合は自宅ケアで様子を見られます。
- フケは少量〜中程度で、かゆみがほとんどない
- 皮膚に赤みや炎症がない
- 脱毛や発疹がない
- 冬場の乾燥やシャンプー直後に一時的に増えた程度
- 元気・食欲が正常
自宅でできる改善ケア
シャンプーの見直し
フケの原因に合わせたシャンプー選びが重要です。
- 乾燥が原因の場合:保湿成分(オートミール・セラミド・アロエベラ)配合の低刺激シャンプーを使用。シャンプー頻度は月1〜2回に抑える
- 脂漏が原因の場合:獣医師に相談のうえ、硫黄・サリチル酸配合の薬用シャンプーを使用
いずれの場合も、シャンプーはぬるま湯(35〜37度)で行い、すすぎ残しがないよう丁寧に洗い流します。
保湿ケア
シャンプー後の保湿は必須です。犬用の保湿スプレーやコンディショナーを使い、皮膚の水分を保ちます。日常的に乾燥が気になる場合は、犬用保湿ローションを週に数回塗布するのも効果的です。
湿度管理
室内の湿度を50〜60%に保つことが大切です。冬場は加湿器を活用し、エアコンの風が直接犬に当たらないように配慮します。
食事の改善
オメガ3脂肪酸(魚油・亜麻仁油由来)を含むフードやサプリメントを取り入れます。皮膚の健康維持に必要な亜鉛やビタミンEが含まれた総合栄養食を選ぶことも大切です。フードを変更する際は1〜2週間かけて徐々に切り替えましょう。
ブラッシング
定期的なブラッシングは古い角質(フケ)を取り除き、皮脂を被毛全体に行き渡らせる効果があります。短毛種はラバーブラシ、長毛種はスリッカーブラシやピンブラシが適しています。週2〜3回を目安に、皮膚を傷つけないよう優しくブラッシングしましょう。
病院に行くときの準備
- フケの状態を写真で記録:フケの大きさ・色・分布がわかるように撮影
- 症状の経過をメモ:いつからフケが増えたか、季節との関係、かゆみの有無
- 使用中のシャンプーの情報:銘柄と使用頻度
- 食事内容:フードの銘柄・サプリメント・おやつの種類
- 同居動物の状況:他のペットにも同様の症状があるか(ツメダニ症の判断材料)
この記事の情報は一般的な参考情報です。個別の症状については必ず獣医師にご相談ください。